70代で顧問になるには?仕事の見つけ方・報酬・始め方
70代から顧問・アドバイザーとして働く方法を解説。依頼されやすい仕事、報酬の決まり方、プロフィールの作り方、大企業の管理職経験を活かす際の注意点まで紹介します。
70代からでも、これまでの仕事で培った経験を顧問・アドバイザーとして活かすことはできます。顧問の仕事では、年齢そのものよりも「どの課題を、どのように解決できるか」が重視されるためです。ただし、以前の会社名や役職だけで仕事につながるわけではありません。自分の経験を企業が依頼できる業務に置き換え、相手企業の規模や予算に合わせて支援することが大切です。
この記事では、70代で顧問になる方法、依頼されやすい仕事、報酬の考え方、仕事の探し方、失敗を避けるポイントを解説します。70代の働き方を広く比較したい方は70代の仕事完全ガイド、顧問以外も含めて経験を活かせる仕事を知りたい方は定年後に経験を活かせる仕事10選もあわせてご覧ください。
70代の顧問とはどのような働き方か
顧問は、企業の経営者や担当者に対して、特定分野の助言や実務支援を行う働き方です。正社員として毎日出社するのではなく、業務委託契約を結び、月数回の面談、プロジェクト単位の支援、1時間単位のスポット相談などで関わる形が一般的です。
働き方 | 主な役割 | 関わり方 |
|---|---|---|
スポット相談 | 特定の課題への助言、壁打ち | 1回・短時間 |
顧問 | 経営・営業・技術等の継続的な助言 | 月1~数回 |
業務委託 | 成果物作成やプロジェクトの実行支援 | 一定期間 |
研修・メンター | 若手育成、技能継承、研修登壇 | 単発または継続 |
顧問は「相談に答えるだけ」とは限りません。中小企業では専門部署がないことも多く、提案書の作成、商談への同席、業務手順の整備、若手社員への指導など、実行まで求められる場合があります。契約前に助言だけを行うのか、実務まで担当するのかを確認しておく必要があります。
70代の顧問に依頼されやすい仕事
企業から依頼されやすいのは、長期間の経験が成果に直結しやすい領域です。
- 営業・販路開拓: 営業戦略の見直し、代理店開拓、商談への同席、若手営業の育成
- 経営・事業企画: 事業計画、新規事業、事業承継、経営者の意思決定支援
- 製造・品質管理: 生産工程の改善、不良率低減、品質基準の整備、技能継承
- IT・DX: システム導入の整理、ベンダー選定、プロジェクト管理、情報セキュリティ
- 人事・組織: 評価制度、採用、研修、管理職育成、組織課題の整理
- 経理・財務: 予算管理、管理会計、資金繰り、業務フローの改善
重要なのは、役職名ではなく具体的な支援内容で伝えることです。「営業部長を経験」だけでは、企業は何を依頼できるか判断できません。「代理店営業の仕組みを整えられる」「製造現場の品質会議を設計できる」のように、依頼可能な業務へ言い換えます。
顧問に向いている人・慎重に検討したい人
向いている人 | 慎重に検討したい人 |
|---|---|
経験を具体的な成果や手順で説明できる | 会社名や肩書きだけで評価されると考えている |
相手企業の事情を聞いてから提案できる | 以前の会社の方法をそのまま導入しようとする |
助言だけでなく必要な実務にも関われる | 現場作業や資料作成には関わりたくない |
新しいツールや仕事の進め方を学べる | オンライン面談や文書共有に強い抵抗がある |
すべての業務を自分で行う必要はありません。ただし、自分が担当できる範囲と担当しない範囲を明確にし、相手の期待とずれないようにすることが必要です。
大企業の管理職経験を活かすときの注意点
大企業の管理職経験は、中小企業にとって貴重な知見になる一方、そのまま持ち込むと合わないことがあります。大企業と中小企業では、使える人員、予算、意思決定の速さが異なるからです。
観点 | 大企業で多い状況 | 中小企業で多い状況 |
|---|---|---|
意思決定 | 複数部署・承認プロセスを経る | 経営者が短期間で判断する |
人員 | 専門部署と分業体制がある | 少人数で複数業務を兼務する |
予算 | 一定規模の投資が可能 | 小さく試して成果を確認する必要がある |
顧問への期待 | 助言・レビューが中心の場合もある | 実行支援まで求められやすい |
「以前の会社ではこうしていた」と説明するだけでなく、「現在の人員と予算なら、まずここまで実行できる」と調整する姿勢が重要です。下書きとして準備していた「元大手企業の管理職が70代から顧問になる方法」の内容は、この注意点と失敗回避の考え方に統合しています。
顧問の報酬はどのように決まるか
顧問の報酬は、年齢ではなく、支援内容、専門性、稼働時間、成果物の有無、責任範囲によって決まります。スポット相談、月額顧問、プロジェクト型業務委託では契約の考え方も異なります。
- スポット相談: 相談時間と事前準備の範囲を決める
- 月額顧問: 月の面談回数、連絡手段、資料確認の量を決める
- プロジェクト支援: 成果物、期限、会議回数、実作業の範囲を決める
相場だけで金額を決めると、想定外の作業が増えることがあります。報酬額を提示する前に、契約に含む業務と追加料金になる業務を確認しましょう。また、マッチングサービスを利用する場合は、手数料や支払い方法も事前に確認します。
70代で顧問になるための6ステップ
- 経験を棚卸しする: 業界、職種、担当業務、成果、失敗から学んだことを書き出します。
- 依頼できる業務に変換する: 「管理職経験」ではなく「営業会議の改善」「品質基準の整備」のように表現します。
- 支援条件を決める: 稼働日数、オンライン・訪問、対応地域、希望する仕事の範囲を決めます。
- プロフィールを作る: 実績を数字で示し、企業が得られる成果を記載します。詳しくは選ばれるプロフィールの書き方で解説しています。
- スポット相談から始める: 最初から長期契約に限定せず、短い相談で相性と課題を確認します。
- 契約範囲を書面で確認する: 業務、報酬、期間、秘密保持、成果物、連絡方法を合意します。
複数社から依頼を受ける場合は、時間管理だけでなく、秘密保持と競業関係にも注意が必要です。詳しくは複数の企業から顧問依頼を受ける際の注意点をご覧ください。
選ばれるプロフィールに必要な情報
企業が知りたいのは、経歴の長さよりも「自社の課題を任せられるか」です。プロフィールには次の要素を入れます。
- 経験した業界と顧客層
- 担当した業務と役割
- 改善した数値や達成した成果
- 支援できる具体的な業務
- 稼働できる日数・時間・地域
- オンライン対応の可否
守秘義務に反しない範囲で数字や規模を示すと、経験が伝わりやすくなります。たとえば「営業経験30年」だけでなく、「法人営業チームの責任者として代理店開拓と若手育成を担当」のように説明します。
顧問活動で起こりやすい失敗
- 評論家で終わる: 正論を伝えるだけで、企業が次に何をすればよいか示さない
- 相手の規模を考慮しない: 人員や予算に合わない提案をする
- 仕事の範囲が曖昧: 相談契約のつもりが、資料作成や営業代行まで求められる
- 過去の肩書きを強調しすぎる: 相手の課題より自分の経歴説明が中心になる
- 機密情報を扱う: 元勤務先や別の契約先の情報を共有してしまう
初回面談では、自分の説明よりも、企業が困っていること、いつまでに何を変えたいか、社内で誰が実行するかを確認する時間を多く取る方が、具体的な提案につながります。
活用イメージ
※以下は働き方を説明するための架空の例であり、実在する利用者の事例ではありません。
製造業で品質保証を担当していた72歳の方が、月2回のオンライン会議で中小メーカーの品質会議を支援するケースを考えます。最初の相談では不良率の数値だけでなく、記録方法と会議の進め方を確認します。その後、現場が続けられる簡単な確認表を作り、3か月間、改善状況を確認します。この場合、価値になるのは「大手メーカー出身」という肩書きだけでなく、問題の原因を整理し、現場で続けられる仕組みに変える経験です。
よくある質問
Q. 70代という年齢で企業から依頼されますか?
A. 年齢だけで依頼が決まるわけではありません。企業の課題と経験が合うか、希望する稼働条件に対応できるかが重要です。ただし案件数や受注を保証できるものではないため、複数の探し方を併用してください。
Q. 顧問経験がなくても始められますか?
A. 顧問という肩書きの経験がなくても、企業課題を解決した実務経験があれば候補になります。最初はスポット相談や小さな業務から始める方法があります。
Q. 人脈がなくても顧問になれますか?
A. 人脈紹介だけが顧問の仕事ではありません。営業の仕組み化、品質改善、IT導入、若手育成など、専門知識と実務支援を求める依頼もあります。
Q. 在宅だけで対応できますか?
A. オンラインで完結する相談や資料レビューもありますが、現場確認や商談同席が必要な仕事もあります。プロフィールに対応可能な範囲を明記しましょう。
Q. 年金を受け取りながら顧問として働けますか?
A. 働くこと自体は可能です。年金・税金への影響は契約形態や所得によって異なるため、日本年金機構、税務署、専門家等へ個別に確認してください。
まとめ
70代で顧問になるために必要なのは、以前の会社名や役職を並べることではなく、自分の経験を企業が依頼できる仕事に変換することです。相手企業の規模や予算に合わせ、助言だけでなく実行可能な方法を示せると、長年の経験が価値になりやすくなります。
まずは経験を棚卸しし、支援できる業務と稼働条件をプロフィールにまとめましょう。シニアワークは、経験を活かして働きたいシニアと企業をつなぐマッチングサービスです。登録後の依頼や収入を保証するものではありませんが、顧問・業務委託という働き方を検討する入口として利用できます。
