60代の副業おすすめ12選|年金・税金への影響と失敗しない始め方
60代におすすめの副業12選を、経験を活かす仕事・在宅ワーク・地域の仕事・趣味の4タイプに分けて比較表付きで紹介。働くと年金は減るのか、2026年4月改正の在職老齢年金や確定申告・住民税の注意点、詐欺の見分け方、始め方の5ステップまで解説します。
60代の副業は、「経験を活かす仕事」「在宅でできる仕事」「体を動かす地域の仕事」の3タイプから選ぶのが基本です。60代の副業選びでは、収入額より先に、年金・税金への影響と体力に合うかを確認することが失敗しないコツです。本記事では、60代におすすめの副業12選と、働き方ごとの年金・税金の違い、詐欺の見分け方までまとめて解説します。
目次
- 60代の副業を選ぶ前に考えたい3つの質問
- 60代におすすめの副業12選
- 60代の副業12選の比較表
- 60代の副業で年金は減る?働き方別の違い
- 60代の副業と税金・確定申告
- 60代の副業の活用イメージ
- 60代を狙う副業詐欺の見分け方
- 60代から副業を始める5ステップ
- よくある質問
60代の副業を選ぶ前に考えたい3つの質問
60代の副業は、20〜40代の副業と前提が違います。再雇用や年金受給が始まり、使える時間と体力、必要な収入額が人によって大きく異なるためです。次の3つの質問に答えると、自分に合う副業のタイプが絞れます。
- 月にいくら上乗せしたいか: 月1〜3万円なら在宅の軽作業、月5万円以上を目指すなら経験を活かす仕事が現実的です。
- 週に何時間使えるか: 再雇用中なら週5〜10時間、完全リタイア後なら週15〜20時間など、先に上限を決めておきます。
- 人に教えられる経験があるか: 営業・経理・技術・管理職などの経験は、そのまま報酬につながる「売れる資産」です。
3つ目の質問で「ある」と答えた方は、単価の高い経験活用型から検討するのがおすすめです。「特にない」と感じた方も、職務経歴を書き出すと意外な強みが見つかります。書き出し方は選ばれるプロフィールの書き方で解説しています。
60代におすすめの副業12選
ここでは60代の副業を4つのグループに分けて紹介します。収入の目安は一般的な相場感であり、案件内容・地域・経験によって大きく変わります。
経験・専門知識を活かす副業
- 顧問・スポットコンサル: 企業の経営課題や現場の悩みに、これまでの経験から助言する仕事です。1時間単位の相談から月額の顧問契約まであり、業務委託で働くのが一般的です。始め方の詳細は定年後の副業・顧問活動のはじめ方をご覧ください。
- 企業研修・セミナー講師: 営業研修、品質管理、安全衛生など、社内で教えてきた内容を外部向けに提供します。自治体や商工会議所の講座に登壇する道もあります。
- 専門分野の翻訳・ライティング: 技術文書、医療、法務、金融など、専門知識が必要な文章は経験者が有利です。一般的なWebライターより単価が高い傾向があります。
- オンライン講師・スキル販売: 語学、資格試験、パソコン操作、趣味の技術などを教えます。ストアカやココナラのようなスキル販売サービスを使えば、個人でも集客できます。
在宅・パソコンでできる副業
- Webライター: 企業のコラムや商品紹介の記事を書く仕事です。クラウドワークスやランサーズ等のクラウドソーシングで募集が多く、未経験から始められます。
- データ入力・アンケート回答: 特別なスキルが不要で、すき間時間にできます。ただし単価は低く、月1〜3万円程度が目安です。
- オンライン秘書・事務代行: 請求書作成、スケジュール管理、メール対応などをリモートで代行します。事務や経理の経験がある方に向いています。
体を動かす・地域の副業
- マンション管理員・施設の受付: 60代以上の採用が多い代表的な仕事です。パート・アルバイト(雇用)で働く形が中心です。
- シルバー人材センターの仕事: 地域の家庭や企業から、清掃・除草・軽作業などを請け負います。原則として60歳以上が会員になれ、生きがいづくりを重視した仕組みです。
- 家事代行・生活サポート: 料理、掃除、買い物代行など、生活経験がそのまま活きます。短時間から働けるサービスが増えています。
趣味・作品を活かす副業
- ハンドメイド・作品の販売: 手芸、木工、陶芸、写真などの作品を、ハンドメイドマーケットやフリマアプリで販売します。販売手数料と材料費を差し引いて利益を考える必要があります。
- 趣味の教室を開く: 公民館や自宅で、囲碁、書道、料理、楽器などを教えます。少人数から始められ、地域のつながりづくりにもなります。
なお、株式やFXなどの投資は元本割れのリスクがあり、働いて報酬を得る副業とは性質が異なります。本記事では副業と区別し、資産運用として別に検討することをおすすめします。
60代の副業12選の比較表
12の副業を、働き方・在宅可否・収入の目安・経験の活かしやすさで比較しました。
副業 | 主な働き方 | 在宅 | 月収の目安 | 経験の活用度 |
|---|---|---|---|---|
顧問・スポットコンサル | 業務委託 | 可 | 数万〜20万円 | 非常に高い |
研修・セミナー講師 | 業務委託 | 一部可 | 1回数万円〜 | 非常に高い |
専門翻訳・ライティング | 業務委託 | 可 | 3〜10万円 | 高い |
オンライン講師・スキル販売 | 業務委託 | 可 | 1〜5万円 | 高い |
Webライター | 業務委託 | 可 | 1〜5万円 | 中 |
データ入力・アンケート | 業務委託 | 可 | 1〜3万円 | 低い |
オンライン秘書・事務代行 | 業務委託 | 可 | 3〜8万円 | 中〜高い |
マンション管理員・受付 | 雇用(パート) | 不可 | 勤務時間による | 低い |
シルバー人材センター | 請負・委任 | 不可 | 数万円程度 | 低〜中 |
家事代行・生活サポート | 雇用または業務委託 | 不可 | 2〜6万円 | 中 |
ハンドメイド販売 | 個人の販売 | 可 | 数千円〜数万円 | 中 |
趣味の教室 | 個人事業 | 一部可 | 1〜5万円 | 中〜高い |
※月収の目安は一般的な相場感をもとにした参考値で、実際の収入を保証するものではありません。
表のとおり、経験の活用度が高い副業ほど単価も高くなる傾向があります。自分の経験がどの企業に求められるかを知りたい方は、定年後に経験を活かせる仕事10選もあわせてご覧ください。
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60代の副業で年金は減る?働き方別の違い
60代の副業で最も多い不安が「働くと年金が減るのでは」というものです。結論から言うと、年金が減る可能性があるのは、厚生年金に加入して働く場合に限られます。
この仕組みを「在職老齢年金」といいます。日本年金機構によると、2026年4月からは、老齢厚生年金の月額と給与・賞与の月額換算の合計が65万円を超えた場合に、超えた分の半分が支給停止されます。改正前の基準は51万円だったため、年金が減る人は大きく減る見込みです。
- 対象になるのは老齢厚生年金のみ: 老齢基礎年金(国民年金部分)は、収入にかかわらず調整の対象になりません。
- 対象は厚生年金に加入して働く人: 顧問やWebライターなどの業務委託で得る報酬は、厚生年金の給与ではないため、在職老齢年金の計算には含まれません。
- パートでも加入条件を満たせば対象: 週の所定労働時間や月額賃金などの条件を満たすと、パートでも厚生年金に加入します。
項目 | 雇用(パート・アルバイト) | 業務委託(顧問・ライター等) |
|---|---|---|
在職老齢年金の対象 | 厚生年金に加入すれば対象 | 対象外 |
所得の区分 | 給与所得 | 雑所得または事業所得 |
社会保険 | 条件を満たせば勤務先で加入 | 自分で国民健康保険等に加入 |
労災保険 | 適用される | 原則なし(特別加入制度あり) |
働く時間・場所 | 勤務先が決める | 自分で調整しやすい |
ただし、業務委託の所得が増えると、国民健康保険料や介護保険料が上がる場合があります。年金が減らないからといって、手取りへの影響がゼロになるわけではない点に注意が必要です。具体的な金額は、お住まいの市区町村や年金事務所で確認できます。
60代の副業と税金・確定申告
60代の副業では、自分がどの立場で副業をしているかによって、確定申告が必要かどうかが変わります。国税庁の基準をもとに、代表的な2つのケースを整理します。
- 再雇用などで会社から給与を受けている場合: 副業の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円を超えると、確定申告が必要です。
- 年金を受給している場合: 公的年金等の収入が年400万円以下で、年金以外の所得が年20万円以下なら、確定申告は不要です(確定申告不要制度)。
注意したいのは、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別に必要になる点です。所得が20万円以下でも、お住まいの市区町村へ住民税の申告を行います。
また、配偶者の健康保険の扶養に入っている60歳以上の方は、年間収入180万円未満が扶養の目安です。副業の収入で扶養から外れる可能性があるため、加入している健康保険の基準を事前に確認しましょう。
60代の副業の活用イメージ
ここでは、60代の副業の組み立て方を2つの例で紹介します。※いずれも説明のための架空の例です。実在の人物・企業の事例ではありません。
例1: 元経理部長が中小企業の経理顧問に(製造業出身・65歳)
再雇用で週3日勤務しながら、残りの時間で中小企業の経理体制づくりを支援するイメージです。月2回のオンライン面談で決算準備や資金繰りの相談に乗り、業務委託で月5万円の報酬を得ます。業務委託の報酬なので、在職老齢年金の計算には含まれません。
例2: 元営業職がWebライターと地域の仕事を組み合わせ(小売業出身・67歳)
完全リタイア後、午前中に週2日マンション管理員として働き、午後に接客や営業のノウハウ記事を書くイメージです。体を動かす仕事と在宅の仕事を組み合わせることで、生活のリズムと月4万円程度の収入を両立します。
このように、1つの副業に絞らず、経験活用型と地域の仕事を組み合わせる方法もあります。複数の仕事を掛け持ちする場合の時間管理は、複数の企業から顧問依頼を受けるには?で解説しています。
例1のように経験を活かしたい方へ
シニアワーク+は、65歳以上のシニア人材と、経験を求める企業をつなぐマッチングサービスです。1時間のスポット相談から始められるので、再雇用中でも無理なく試せます。経験を活かせる依頼を受け取る
60代を狙う副業詐欺の見分け方
「スマホで簡単に月50万円」「初心者でも確実に稼げる」といった副業の勧誘には注意が必要です。国民生活センターや消費者庁は、副業を名目に高額な情報商材やサポート契約を結ばせるトラブルについて、繰り返し注意喚起を行っています。
次のうち1つでも当てはまる場合は、契約を見送るのが安全です。
- 「誰でも」「確実に」「スマホだけで」など、簡単さと高収入を強調している
- 仕事を始める前に、教材費・登録料・サポート費用の支払いを求められる
- 「今日中に申し込めば割引」など、考える時間を与えない
- SNSやマッチングアプリで知り合った相手から勧誘された
- 運営会社の所在地や連絡先がはっきりしない
正当な副業は、仕事をした対価として報酬を受け取るもので、始める前にお金を払う必要は基本的にありません。困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。
60代から副業を始める5ステップ
- 就業規則を確認する: 再雇用中の場合、勤務先の就業規則で副業が認められているか、届出が必要かを確認します。
- 経験と時間を書き出す: これまでの職務経歴と、副業に使える週の時間を紙に書き出します。
- 小さく試す: いきなり長期契約を結ばず、単発の案件や1時間の相談から始めます。
- 収入と経費を記録する: 確定申告や住民税の申告に備え、報酬と経費を月ごとに記録します。
- 3か月後に見直す: 体力・収入・やりがいのバランスを振り返り、続けるか、別の副業に切り替えるかを判断します。
退職前後の健康保険や年金の手続きがまだの方は、退職後にやるべき手続きと過ごし方も確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 60代の副業で、年金は減りますか?
A. 減る可能性があるのは、厚生年金に加入して働き、老齢厚生年金の月額と給与の月額換算の合計が65万円(2026年4月以降)を超える場合です。業務委託で得る報酬は、在職老齢年金の計算に含まれません。
Q. 60代の副業は、月にいくら稼げますか?
A. 在宅の軽作業なら月1〜3万円、経験を活かす顧問や専門ライティングなら月5万円以上も目指せます。最初の3か月は、収入より続けられるかどうかを重視するのがおすすめです。
Q. 再雇用中でも副業はできますか?
A. 勤務先の就業規則で認められていれば可能です。厚生労働省のモデル就業規則でも、副業・兼業を原則認める方向が示されています。まずは人事部門に確認しましょう。
Q. パソコンが苦手でもできる副業はありますか?
A. マンション管理員、シルバー人材センター、家事代行、趣味の教室などは、パソコンがほとんど不要です。顧問やスポット相談も、メールとビデオ通話ができれば始められます。
Q. 副業の収入が20万円以下なら、何もしなくていいですか?
A. 所得税の確定申告は不要な場合がありますが、住民税の申告は別に必要です。お住まいの市区町村に申告しましょう。
Q. 副業で開業届は必要ですか?
A. 事業として継続的に行う場合は、税務署に開業届を出すのが原則です。単発・少額の副業なら、雑所得として申告するケースが一般的です。判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談してください。
まとめ
60代の副業は、経験を活かす仕事・在宅の仕事・地域の仕事・趣味を活かす仕事の4タイプから、体力と使える時間に合わせて選ぶのが基本です。業務委託の報酬は在職老齢年金の計算に含まれませんが、住民税や国民健康保険料には影響するため、税金と保険の確認も欠かせません。
まずは小さく試し、3か月後に見直すことで、無理なく続けられる60代の副業が見つかります。定年後の仕事探し全体を知りたい方は定年後の仕事の探し方7選を、サービスについてのご質問はお問い合わせからお気軽にご連絡ください。
