70代で仕事が見つからない理由と見直したい7つのこと
70代の仕事探しが難しいと感じる理由を統計データで整理し、応募前・応募中に見直したい7つのポイントを解説します。法律上の年齢制限禁止の原則、見つかるまでの目安期間、経験を活かすという新しい働き方の選択肢まで、事例を交えてより丁寧に紹介します。
70代で仕事が見つからないとき、その原因は「年齢そのもの」よりも「探し方・見せ方のミスマッチ」であることが少なくありません。法律上、求人への年齢制限は原則禁止されていますが、実際には年齢を理由に断られる場面があるのも事実です。本記事では、70代の仕事探しが難しいと感じる理由を整理したうえで、応募を始める前に見直したい7つのポイントを解説します。
目次
70代の仕事探しが難しいと感じる理由
70〜74歳の就業率は約33.5%、75歳以上は約11%というデータがあり、働いている70代は一定数いる一方、仕事探しの難易度が上がる年代であることも事実です。ある調査では、シニアの不採用理由として「人事責任者が高齢者雇用に消極的だった」が31.4%、「職場全体に高齢者雇用に消極的な雰囲気があった」が18.6%という結果が報告されています。
また、60歳以上を積極的に募集する求人の絶対数が若年層向けより少ないことに加え、65歳以上の新規求職者数自体が増加傾向にあり、応募の競争が激しくなっている側面もあります。つまり、「見つからない」と感じる背景には、本人の経験や能力とは関係のない、構造的な要因も含まれているということです。採用側が抱く「体力的に厳しいのでは」「新しいITツールに対応できるか」といった懸念は、必ずしも事実に基づいたものではなく、応募時の伝え方次第で払拭できる場合もあります。
男女で向いている職種の傾向に違いもあり、より具体的な職種を知りたい方は70代男性におすすめの仕事12選・70代女性におすすめの仕事12選もあわせてご覧ください。
法律上、求人の年齢制限は原則禁止されている
労働施策総合推進法により、企業が労働者を募集・採用する際に年齢による条件を設けることは原則禁止されています。厚生労働省も「その募集・採用、年齢にこだわっていませんか?」という資料で、年齢にかかわりなく均等な機会を確保するよう企業に求めています。これは70代に限った話ではなく、全ての年代の求職者に向けた基本原則です。
一方で実態として、「年齢不問」と記載されていても、問い合わせると年齢を理由にその場で断られるケースが報告されています。これは募集要項上の建前と、現場の運用に差があることを示しています。この実態を知っておくこと自体が、次の一歩を考えるうえで重要です。「自分に問題があるから断られている」と思い込む必要はなく、こうした構造的な事情も影響していることを理解したうえで、対策を考えましょう。
困ったときは一人で抱え込まず、ハローワークや労働局の相談窓口に、応募時の対応について相談することもできます。こうした窓口は、求人紹介だけでなく、応募時に不当な対応を受けた場合の相談先としても利用できます。
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見直したい7つのこと
ここからは、応募前・応募中に見直せる具体的な7つのポイントを紹介します。1つずつ確認し、当てはまる項目があれば、次の応募から少しずつ変えてみましょう。
- 応募する窓口が1つに偏っていないか: 70代の仕事探しでハローワークだけ、求人サイトだけ、といった単一の窓口に絞っていると、出会える求人の幅が狭くなります。シルバー人材センター・求人サイト・専門のマッチングサービス等、複数の窓口を並行して使うことで、選択肢が広がります。1つの窓口で結果が出なくても、別の窓口では条件が合う求人に出会えることがあります。仕事の探し方全体は定年後の仕事の探し方7選で解説しています。
- 応募書類で経験を具体的な数字で見せているか: 「営業部長を務めた」だけでなく、「新規開拓で年間20社の契約を獲得した」のように、数字を伴う実績で伝えると、採用側が判断しやすくなります。抽象的な肩書きだけでは、何ができる人なのかが伝わりにくくなります。
- 希望条件が狭すぎないか: 勤務地・勤務時間・業種等の希望条件を厳しく絞りすぎると、対象となる求人自体が減ってしまいます。まず条件を広めに取り、応募しながら絞り込んでいく方法もあります。優先したい条件(収入・体力面・やりがい等)に順位をつけておくと、判断がしやすくなります。
- 未経験分野ばかり狙っていないか: 新しい業種に挑戦したい気持ちは大切ですが、未経験分野では若い世代との競争になりやすい場面もあります。これまでの経験が直接評価される分野も、同時に検討してみましょう。
- 「年齢不問」の実態を確認しているか: 募集要項の記載だけで判断せず、気になる求人には直接問い合わせて、70代の応募が実際に可能かを確認することで、無駄な応募を減らせます。電話やメールで一言確認するだけで、応募前に判断できる場合があります。
- 体力を使う仕事だけに絞っていないか: 清掃・警備等の体力系だけでなく、経験を活かす仕事という選択肢もあります(詳細は次章)。
- 一人で探し続けていないか: ハローワークの生涯現役支援窓口や、シニア向けの相談サービスを使うと、自分では気づかなかった選択肢が見つかることがあります。家族や知人に相談するだけでも、新しい視点が得られることがあります。
見つかるまでの目安期間
70代の仕事探しは、1〜2回の応募で結果が出るとは限りません。応募窓口を複数に広げ、条件を調整しながら数週間〜数か月単位で取り組む前提で考えると、途中で結果が出ないことへの焦りを減らせます。
- 清掃・警備等の体力系の仕事: 求人数自体は多いため、窓口を複数使えば比較的早く見つかる傾向があります。
- 経験を活かす顧問・業務委託: 企業側のニーズと合致するまで時間がかかることもありますが、1件決まると継続的な依頼や、そこからの紹介につながりやすい特徴があります。プロフィールを登録してスカウトを待つ形であれば、応募する手間自体も少なく済みます。
- 在宅ワーク・軽作業: 競争率が高い案件もあるため、複数のサービスに登録しておくと選択肢が増えます。
「すぐに決まらない=自分に問題がある」と結びつけず、70代の仕事探しは働き方のタイプによって見つかるまでの期間が異なるという前提を持っておくことが、焦らず探し続けるためのポイントです。
体力を使う仕事だけに絞っていないか
7つの見直しポイントのうち、特に見落とされやすいのが「体力を使う仕事だけに絞っていないか」という点です。清掃・警備・軽作業等の求人は数が多く目にする機会も多いですが、70代の仕事探しにはもう一つの道があります。
営業・経理・技術・管理職等でこれまで積んできた経験を、顧問やスポット相談という形で企業に提供する働き方です。体力面の負担が少なく、年齢がむしろ強みになりやすいという特徴があります。中小企業やスタートアップは、正社員採用や外部コンサルタントへの依頼コストを抑えながら専門知識を借りたいというニーズを持っており、こうした経験を求めています。どんな経験が求められているかは定年後に経験を活かせる仕事10選で、始め方の手順は定年後の副業・顧問活動のはじめ方で解説しています。仕事全体の選び方は70代の仕事完全ガイドもあわせてご覧ください。
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活用イメージ
70代の仕事探しの見直し方を、2つの例で紹介します。※以下は説明のための架空の例です。実在の人物の事例ではありません。
例1: 清掃・軽作業ばかり応募していた元事務職(72歳・女性)
求人サイトだけで清掃の仕事に20件ほど応募したものの、なかなか決まらなかったイメージです。希望条件を「自宅から徒歩圏内」に絞っていたことも、選択肢を狭めていた一因でした。応募窓口をシルバー人材センターにも広げ、通勤範囲の条件も見直し、あわせて長年の事務経験を活かせる在宅の軽作業も検討した結果、1か月以内に2つの仕事が見つかりました。窓口と条件を1つに絞っていたことが、見つからない原因だったと気づいたケースです。
例2: 「未経験の業界に挑戦したい」と考えていた元製造業管理職(70歳・男性)
異業種への転職を目指して応募を続けていたものの、年齢を理由に断られることが続いたイメージです。応募書類も「製造部門の管理職」という肩書きだけで、具体的な実績を書いていませんでした。方向を変えて、製造業での品質管理経験を活かす顧問という働き方を検討し、過去に手がけた改善活動の具体的な成果を書き添えたところ、中小企業からの相談が得られるようになりました。未経験分野への挑戦をいったん脇に置き、経験を活かす方向に切り替えたことが転機になりました。
よくある質問
Q. 「年齢不問」と書かれているのに断られるのは違法ではないですか?
A. 募集・採用時の年齢制限は法律上原則禁止されていますが、実際の運用として年齢を理由に断られる場面があるのも事実です。違法性の判断は個別の状況によるため、疑問がある場合はハローワーク等の公的窓口に相談できます。
Q. 何件くらい応募すれば仕事が見つかりますか?
A. 決まった基準はありませんが、応募する窓口の数を増やし、希望条件を見直すことで、見つかりやすさが変わってきます。1つの窓口・1つの条件にこだわりすぎないことが大切です。
Q. 未経験の仕事に挑戦するのは諦めるべきですか?
A. 諦める必要はありません。ただし、これまでの経験が直接評価される分野と比べると、未経験分野は若い世代との競争になりやすい傾向があります。両方を並行して検討するのがおすすめです。
Q. 応募書類はどのように見直せばいいですか?
A. 肩書きだけでなく、具体的な数字(件数・期間・金額等)を使って実績を伝えると、採用側が判断しやすくなります。詳しくは選ばれるプロフィールの書き方でも解説しています。
Q. 何度も断られて自信を失ってしまいました。どうすればいいですか?
A. 断られる理由には、本人の能力とは関係のない構造的な事情も含まれています。一人で抱え込まず、ハローワークの生涯現役支援窓口や、経験を活かせる働き方の相談窓口など、他の選択肢も試してみることをおすすめします。
Q. 体力を使う仕事と経験を活かす仕事、どちらから探すべきですか?
A. 決まった順番はありませんが、管理職・専門職としての経験が長い方は、経験を活かす仕事から検討すると、年齢を理由に不利になりにくい傾向があります。両方を並行して試すこともできます。
Q. 70代の求人が少ない地域に住んでいる場合はどうすればいいですか?
A. 在宅でできる仕事や、顧問・スポット相談のような通勤を伴わない働き方であれば、地域による求人の差を受けにくくなります。地元の求人だけにこだわらず、オンラインで完結する仕事も検討してみましょう。
Q. 面接で年齢について聞かれたら、どう答えればいいですか?
A. 年齢を理由に不安を示された場合は、体力面・健康面について自分の状況を具体的に伝え、これまでの経験でどう貢献できるかをセットで説明すると、相手の不安を解消しやすくなります。
まとめ
70代で仕事が見つからないと感じるとき、原因は年齢そのものだけでなく、応募窓口の偏り・書類の見せ方・希望条件の広さ・経験の活かし方など、見直せる点が複数あります。7つのポイントを一つずつ確認し、体力を使う仕事だけに絞らず、経験を活かす働き方も選択肢に加えることで、見つかる可能性が広がります。
70代の仕事探しは、20代・30代の転職活動とは前提が異なります。1社に絞って結果を待つより、複数の窓口・複数の条件・複数の働き方を並行して試す方が、結果的に早く見つかることが多いです。清掃・警備のような体力を使う仕事と、顧問・業務委託のような経験を活かす仕事を両方視野に入れておくことで、どちらかで結果が出なくても、もう一方で道が開けることがあります。仕事探し全体の進め方は70代の仕事完全ガイドで、ご相談はお問い合わせから承っています。
