70代の仕事完全ガイド|無理なく続けられる仕事と探し方
70代・70歳からできる仕事を、体力、勤務時間、経験、収入の4つの視点で比較。清掃・警備・在宅ワーク・顧問などの仕事例、仕事の探し方、年金への影響まで解説する「70代×仕事」の親ページです。
70代でも働ける仕事は、大きく4つのタイプに分かれます。①清掃・警備・マンション管理員などの体力を活かす仕事、②短時間パートやコンビニ等の接客の仕事、③在宅ワークや軽作業、④これまでの管理職・専門職の経験を活かす顧問・業務委託です。本記事では、70代の就業実態のデータから、タイプ別のおすすめの仕事、仕事の探し方、年金・税金への影響まで、70代の仕事探しに必要な情報をまとめて解説します。
目次
- 70代はどれくらい働いているのか
- 70代におすすめの仕事13選
- タイプ別の比較表
- 男女で向いている仕事に違いはあるか
- 無理なく続けるための体力面の工夫
- 収入シミュレーション
- 70代の仕事の探し方
- 年金・税金への影響
- 経験を活かして働くという選択肢
- 活用イメージ
- よくある質問
70代はどれくらい働いているのか
総務省統計局の発表(2026年9月)によると、65歳以上の就業者数は943万人で22年連続の増加となり、過去最多を更新しました。令和7年の労働力調査では、65〜69歳の就業率が54.5%、70〜74歳が36.2%、75歳以上でも12.6%となっています。
つまり、70〜74歳では約3人に1人が働いている状況です。職種によってはさらに高齢者の比率が高いものもあり、例えばタクシー運転手では70〜74歳の層が乗務員全体の約22%を占めるというデータもあります。「70代で働くのは特別なことではない」という前提を持っておくと、仕事探しの気持ちも変わってきます。
この背景には、法律の後押しもあります。2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により、企業には70歳までの就業機会を確保する努力義務が課されました。義務ではなく努力義務ですが、70歳以上の雇用に前向きな企業が増えている制度的な理由の一つです。詳しくは高年齢者雇用安定法とは?70歳就業確保の5つの選択肢で解説しています。
70代におすすめの仕事13選
ここでは70代の仕事を4つのタイプに分けて紹介します。どのタイプが自分に合うかは、体力・生活リズム・経験の3つを基準に考えるとよいでしょう。
体力を活かす仕事
- 清掃スタッフ: 特別なスキルが不要で、未経験でも始めやすい代表的な職種です。オフィスビルやマンション共用部の清掃が中心で、早朝・午前中のみの3時間程度の勤務も多く、時給の目安は1,300〜1,700円程度です。同年代の同僚が多く、仲間を作りやすい職種としても知られています。
- 警備員: 法律上の年齢制限がなく、資格不要で始められます。施設警備・交通誘導が主な業務で、業界全体で50代以上が全体の6割を超えるとされ、シニア層の採用に積極的な業界です。研修制度が整っている企業が多く、未経験からでも始めやすい点も特徴です。
- マンション管理員: 清掃・ゴミ出し対応・受付・設備の点検業務が中心で、体力負担が比較的軽いため70代にも人気の職種です。経験・資格不問の求人が多く、時給1,300円前後、週5日・1日3時間程度からの勤務例もあります。
- タクシー運転手: 実質的な年齢制限はなく、70〜74歳の層が乗務員全体の約22%を占めるというデータもあります。ただし多くの会社が定年を設けており、個人タクシーは事業許可の更新が原則75歳までという制限があるため、応募前に各社の規定を確認する必要があります。
短時間・接客の仕事
- コンビニ・スーパーのスタッフ: 多くの店舗が定年制度を設けておらず、週2〜3日からの勤務も可能です。品出しやレジ打ちが中心で、時給1,000〜1,300円程度が目安です。
- 家事代行: 利用者の自宅での調理・掃除・洗濯が中心で、1日3時間程度の短時間勤務が多い職種です。特別な資格は不要で、これまでの生活経験がそのまま強みになります。
- 事務・受付: パソコンの基本操作ができると選択肢が広がります。一般事務・営業事務・受付等の求人が、シニア向け求人サイトでも一定数掲載されています。
在宅・軽作業
- 在宅データ入力・軽作業: 自宅で座って行える作業で、体力面の負担が少ない働き方です。パソコンの基本操作ができると、応募できる案件の幅が広がります。
- 内職(シール貼り・検品等): 自分のペースで進められる、すきま時間向きの仕事です。単価は控えめですが、通勤の負担がありません。
- シルバー人材センターの仕事: 植木の手入れ・軽作業・講師など、地域単位で臨時的(おおむね月10日以内)・短期的な仕事を紹介してもらえます。
在宅や軽作業から始めたい方へ
まずは短時間・低負荷な働き方から試したいという方は、無理のないペースで始められる案件も多くあります。経験を活かした在宅の仕事に興味がある場合は、この後の「経験を活かして働くという選択肢」もあわせてご覧ください。
経験を活かす仕事
- 顧問・スポット相談: 元管理職・専門職としての経験を、企業への助言という形で活かします。1時間からの相談も可能で、営業・経理・技術・人事等、幅広い分野で需要があります。
- 業務委託でのコンサルティング: 特定の課題(営業戦略・品質管理等)について、業務委託契約で継続的に関わる働き方です。中小企業やスタートアップからの依頼が多い傾向があります。
- 講師・研修担当: これまでの実務経験を、研修やセミナーの形で次の世代に伝える仕事です。社内研修だけでなく、商工会議所等の外部講座に登壇する道もあります。学校の科目を教える塾講師という選択肢もあります。
タイプ別の比較表
タイプ | 体力負担 | 収入の目安 | 始めやすさ |
|---|---|---|---|
体力を活かす仕事 | 中〜高 | 時給900〜1,700円程度 | 未経験でも始めやすい |
短時間・接客の仕事 | 中 | 時給900〜1,300円程度 | 未経験でも始めやすい |
在宅・軽作業 | 低 | 月数千円〜数万円 | 始めやすいが収入は控えめ |
経験を活かす仕事 | 低 | 1回数千円〜月数十万円 | 専門性次第で単価が高い |
※収入の目安は一般的な相場感を示すものであり、実際の金額は業務内容・地域・企業により異なります。
どのタイプが自分に合うか迷ったら
体力に自信があれば①②、体力面で無理をしたくなければ③④から検討するのが目安です。特に元管理職・専門職の方は、④の経験を活かす仕事から検討すると、時間単価の面でも有利になりやすいです。シニアワーク+に無料登録して詳しく見る
男女で向いている仕事に違いはあるか
厳密な決まりはありませんが、傾向として男性は警備員・マンション管理員・タクシー運転手等の体力系、女性は家事代行・清掃・接客・事務等の短時間系を選ぶ人が多い傾向にあります。ただし、これは統計的な傾向であり、性別にかかわらずどの職種にも挑戦できます。特に「経験を活かす仕事」は、元の職種(営業・経理・技術・管理職等)がそのまま強みになるため、性別による向き不向きはほとんどありません。
また、60代と70代でも仕事選びの視点は変わってきます。60代前半は再雇用制度でそのまま働き続ける人が多いのに対し、70代では再雇用も終了し、新たに仕事を探し直す人が増えます。体力面の変化も踏まえて、60代のときより勤務時間・勤務日数を減らす、あるいは体力を使わない仕事に切り替えるという判断をする方が多い時期です。
無理なく続けるための体力面の工夫
70代で働き続けるうえでは、体力を過信せず、生活の負担にならない範囲で調整することが長続きのコツです。医学的な診断は専門機関に委ねるべきですが、働き方の工夫として次のような点が挙げられます。
- 勤務時間を短く刻む: フルタイムではなく、1日3〜4時間、週2〜3日から始めて、体調を見ながら増減させる。
- 立ち仕事と座り仕事を組み合わせる: 清掃等の体を動かす仕事と、在宅の軽作業のような座って行える仕事を組み合わせることで、体への負担を分散できる。
- 通勤の負担を考慮する: 勤務地までの距離・移動手段も、体力面では時給と同じくらい重要な条件になる。
- 定期的な健康診断を受ける: 年に1回の健康診断は、働き続けられる体調かどうかを客観的に確認する機会になる。
体力に不安がある場合は、まず在宅の軽作業や、経験を活かす顧問・スポット相談のような、身体的な負担が少ない働き方から試すのも一つの方法です。
収入シミュレーション
70代の働き方は、1つの仕事に絞らず組み合わせる方も多くいます。ここでは、働き方の組み合わせ別に、月収のイメージを示します。
働き方の組み合わせ | 稼働時間の目安 | 月収イメージ |
|---|---|---|
清掃(週3日・1日3時間)のみ | 週9時間 | 約2〜4万円 |
マンション管理員(週5日・1日3時間)のみ | 週15時間 | 約5〜8万円 |
在宅軽作業(すきま時間)のみ | 週数時間 | 数千円〜1万円台 |
清掃(週3日)+ 月1回の顧問相談 | 週9時間+月数時間 | 約3〜6万円+相談料 |
顧問・スポット相談のみ(月2〜3件) | 月数時間〜十数時間 | 数万円〜数十万円(専門性・稼働量による) |
※月収イメージは一般的な相場感に基づく参考値であり、実際の金額を保証するものではありません。特に顧問・スポット相談は、専門性や実績によって金額差が大きくなります。
70代の仕事の探し方
70代の仕事探しには、主に4つの方法があります。
- ハローワークの生涯現役支援窓口: 全国約300箇所のハローワークに、60歳以上を対象にした専門窓口が設置されています。担当者による職業相談・求人紹介・セミナー案内等を無料で受けられ、初めて仕事を探す方に向いています。
- シルバー人材センター: 各市区町村単位にあり、臨時的・短期的な仕事(おおむね月10日以内)や軽易な仕事(おおむね週20時間未満)を紹介してもらえます。会員登録(年会費が必要な場合がある)をしてから仕事の紹介を受ける流れです。
- シニア向け求人サイト・一般の求人サイト: 清掃・警備・軽作業等の求人を、年齢・地域・職種で絞り込んで探せます。自分のペースで多くの求人を比較検討したい方に向いています。
- 専門のマッチングサービス: 顧問・業務委託のような、経験を活かす働き方に特化したサービスです。プロフィールを登録し、企業からのスカウトを待つ、または興味のある依頼に応募する形で進みます。
4つの方法は、それぞれ得意な仕事の種類が異なります。体力を活かす仕事や短時間の仕事を探すなら①〜③、経験を活かす仕事を探すなら④を軸にするなど、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
「まず何をすればいいかわからない」という方は、次のように順番に考えるとよいでしょう。まず自分の職務経歴を書き出し、体力面で無理のない範囲を決め、それから上記4つのうちどれが合うかを選ぶという流れです。より詳しい探し方の手順は定年後の仕事の探し方7選でも解説しています。
年金・税金への影響
70代で働くとき、多くの方が気になるのが「年金が減るのでは」という点です。これは働き方によって答えが変わります。
- 厚生年金に加入して働く場合(在職老齢年金): 老齢厚生年金の月額と給与の月額換算の合計が、基準額(2026年4月から65万円)を超えると、超えた分の半分が支給停止されます。ただし老齢基礎年金(国民年金部分)は対象外で、全額受け取れます。
- 業務委託・顧問として働く場合: 雇用関係がないため、在職老齢年金の対象にはなりません。年金を減らさずに、経験を活かした収入を得やすい働き方です。
税金については、年金の年間収入が400万円以下で、それ以外の所得(仕事の収入)が年20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要な場合があります。ただし住民税の申告は別に必要になるため、お住まいの市区町村に確認しましょう。なお、70歳以降は厚生年金保険料の負担がなくなる一方、健康保険や介護保険の負担は年齢だけでなく収入によって変わるため、働き方を決める際は年金・税金・保険の3点をセットで確認することをおすすめします。
経験を活かして働くという選択肢
体力を使う仕事や短時間の仕事だけでなく、70代には「経験を活かす」という第4の選択肢があります。40年前後のキャリアで培った業界知識・人脈・現場感覚は、若い世代が短期間では再現できない資産です。特に中小企業やスタートアップは、正社員採用や外部コンサルタントへの依頼にかかる費用を抑えながら専門知識を借りたいというニーズを持っており、こうした経験を求めています。
働き方としては、1時間からのスポット相談、月1〜2回の顧問契約など、体力に合わせて調整しやすいのが特徴です。清掃・警備等の仕事と比べて時間単価も高くなりやすく、平日日中に無理なく働きたい方に向いています。また、業務委託という契約形態のため、通勤の負担がなく在宅で対応できる案件も多いことも、体力面での安心材料になります。どんな経験が求められているかは定年後に経験を活かせる仕事10選で、始め方の詳しい手順は定年後の副業・顧問活動のはじめ方で解説しています。IT・エンジニア経験を活かしたい方は70代エンジニアとして働く方法、大手企業の管理職経験を中小企業で活かしたい方は元大手企業の管理職が70代から顧問になる方法も参考になります。
経験を活かして働きたい70代の方へ
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活用イメージ
70代の仕事の選び方を、2つの例で紹介します。※以下は説明のための架空の例です。実在の人物の事例ではありません。
例1: 元製造業の管理職(72歳・男性)
再雇用終了後、体力面を考えて警備員としてフルタイムではなく週3日の勤務を選ぶ一方、月1回のペースで元同業種の中小企業から品質管理の相談を受け、業務委託で収入を補うイメージです。体力を使う仕事と経験を活かす仕事を組み合わせることで、生活のリズムと収入の両方を確保します。
例2: 元事務職(70歳・女性)
完全リタイア後、午前中は家事代行の仕事で体を動かし、午後は自宅でデータ入力の軽作業を行うイメージです。在宅の仕事を組み合わせることで、無理のないペースで月数万円の収入を得ます。2つの例に共通するのは、1つの仕事に絞らず、体力を使う仕事と負担の少ない仕事を組み合わせている点です。
よくある質問
Q. 70代でも本当に仕事は見つかりますか?
A. 見つかります。なかなか決まらないと感じる場合は、応募窓口や書類の見せ方を見直す余地があることも多く、70代で仕事が見つからない理由と見直したい7つのことでチェックポイントを解説しています。総務省の統計でも70〜74歳の3人に1人以上が働いており、清掃・警備・マンション管理員等は年齢不問の求人が多い職種です。ただし「年齢不問」と書かれていても、実際に問い合わせると断られる場合があるため、複数の求人・複数の探し方を並行して試すことをおすすめします。
Q. 70代で未経験の仕事に就くのは難しいですか?
A. 清掃・警備・マンション管理員・データ入力等は、未経験・資格不問の求人が多くあります。詳しい職種一覧と応募時のコツは70代未経験・資格なしでも始めやすい仕事12選で解説しています。一方、経験を活かす仕事は、これまでの職務経験がそのまま強みになるため、未経験という概念自体が当てはまりません。
Q. 70代で働くと年金は減りますか?
A. 厚生年金に加入して働き、年金と給与の合計が基準額(2026年4月から65万円)を超えた場合に、一部が支給停止されます。業務委託・顧問として働く場合はこの対象になりません。
Q. 体力に自信がなくても働けますか?
A. 在宅の軽作業や、経験を活かす顧問・スポット相談であれば、体力面の負担はほとんどありません。まずは自分の体力に合わせて、勤務時間・勤務日数を調整できる仕事から検討するとよいでしょう。
Q. シルバー人材センターと一般の求人サイトは何が違いますか?
A. シルバー人材センターは公的な団体で、臨時的・短期的な軽い仕事を地域単位で紹介します。一般の求人サイトは、より長期的・定期的な求人が中心です。両方を併用して探す方も多くいます。目的や希望する働き方に応じて、複数の窓口を組み合わせるのが現実的な進め方です。
Q. 70代の仕事探しで、詐欺のような求人に注意する点はありますか?
A. 「誰でも簡単に高収入」「登録前に費用が必要」等の求人には注意が必要です。困った場合は、消費者ホットライン「188」に相談できます。
Q. 70代でも顧問やコンサルタントとして働けますか?
A. 働けます。年齢よりも「どんな経験・専門性を持っているか」が重視される働き方のため、70代であることが不利になることはほとんどありません。1時間からのスポット相談で試してから、継続的な顧問契約に進む方も多くいます。
Q. 一度仕事を辞めたら、また働くのは難しいですか?
A. 難しくありません。清掃・警備等の求人は年齢不問のものが多く、経験を活かす仕事も、離職期間の長さより「どんな経験を持っているか」が重視されます。ブランクがあることを理由に諦める必要はありません。
Q. 複数の仕事を組み合わせて働くことはできますか?
A. できます。本記事の収入シミュレーションで示したように、体力を使う仕事と経験を活かす仕事を組み合わせることで、収入と体力面のバランスを取りやすくなります。それぞれの契約形態(雇用か業務委託か)によって、年金・税金の扱いが変わる点だけ確認しておきましょう。
Q. 70代から新しい業界に挑戦することはできますか?
A. 可能です。特に清掃・警備・軽作業等は業界未経験者を歓迎する求人が多くあります。一方、これまでの経験を活かしたい場合は、畑違いの新しい業界より、自分の経験が評価されやすい業界・職種を選ぶ方が、単価・やりがいの両面で有利になりやすい傾向があります。
まとめ
70代の仕事は、体力を活かす仕事・短時間の接客の仕事・在宅の軽作業・経験を活かす仕事という4つのタイプから、自分の体力と生活リズムに合わせて選ぶことができます。就業率のデータからも、70代で働くことは珍しいことではありません。
特に、管理職・専門職としての経験がある方は、清掃や軽作業よりも、顧問やスポット相談という形で経験を活かす働き方が向いている場合があります。まずは自分の職務経歴を書き出し、どのタイプが合うかを考えてみましょう。仕事探しの窓口は1つに絞らず、ハローワーク・シルバー人材センター・求人サイト・専門のマッチングサービスを組み合わせて使うことで、自分に合う仕事に出会える可能性が広がります。
